8/27 のゲリラ豪雨。
阿佐ヶ谷の駅周辺が冠水。実はその時、ラ・メゾン・クルティーヌも大変でした。
ディナー営業中のことで、ご予約は8名様。
18時にご来店された6名のお客様が入店後、お料理をご提供していましたが、あっという間に雨脚が強まり、気づけば前の道路が冠水。少し傾斜のあるレストラン入り口に水が迫っていました。
当初は、それでも、阿佐ヶ谷には洪水対策のシステムができたばかりなので、そこが起動して水は一気にはけると踏んで気持ちにも余裕があったのですが、2、30分後には、もう水が入り口のすぐ目の前まで来てしまい、そこから急いで対応しましたが、とうとう入り口から水が入り始めます。営業中でお客様がおられる中で写真をとるわけにもいかず、映像をお見せできないのが残念ですが、初めての経験。
当店はT字路の角地に立つビルの一階。19時30過ぎにはもう、目の前の道は両方とも濁流といった具合で、入り口の高さよりも上まで水位が達し、扉の下から水がじわじわと着実に入ってくる状態。
しかし、そんな濁流の中にもかかわらず、20時のご予約のお客様はご来店されます。信じられないとお思いかと思いますが、実は、この日プロポーズをお考えとのことでご予約されたお客様。
お二人のご来店で入り口の扉を開けると、カップルの入店とともにザバッと波打って店内に水が入り、店内をスタッフが歩くとパシャパシャと音がなるくらいに。お客様は足をあげながらお食事するような状態となりました。
当店はキッチンの方がフロアよりも1段上がるため、キッチンに水が入ってこなかったことはとても助かりました。外の水ですので、衛生上、調理場に入ったら、それこそ料理をストップしなくてはならなかったところです。
幸いにもそこからは雨脚は弱まり、少しずつ外は水が引いてゆきましたが、店内はしっかり水浸し。大切なプロポーズを決行する日がこのような稀に見る展開で、プロポーズはまた別の日にされるかと思いましたが、もう意を決していらしたようで、決行をされるとのこと。スタッフにはまた緊張が。
お客様が食事する側で水かきなど、できるはずもなく、むしろプロポーズの雰囲気を盛り上げるために水浸しの店内をムーディーにしてゆくのに必死。蝋燭を灯したりしながら、お客様が事前にご用意された100本の真紅のバラをお渡しし、プロポーズは見事に成功。幸せな時間が流れました。どんなシチュエーションでも、ご本人次第で幸せを掴むことは可能なのですね。
他のテーブルのお客様も柔らかな方ばかりに恵まれて、むしろこの状況でフランス料理を食べられることなど二度とないという意味で楽しんで食事できましたと仰ってくださり、こころから感謝の気持ちでお見送りさせていただきました。
こんな状況で全てのお客様がご満足され、人生で一番大切なプロポーズも成功し、
安堵して皆様をお見送りした後、当然、スタッフ皆で大掃除。
店内のものをすべてに運び出し、フロア中の水をすべて掻き出し、洗剤を撒き、デッキブラシをかけて、水掻きの後にさらにモップ掛け。
大変な一日となりました。
そして、最後にやはり殺菌消毒。
ここが一番肝心ですね。痛い出費ですが、天災には抗えないですし、仕方ありません。
お客様がまた安心してお食事いただけますように、プロに入念な殺菌消毒を依頼し、本日終えたので、ご報告いたします。
ラ・メゾン・クルティーヌは、どんな状況でも最善を尽くしております。
今後とも、どうぞ変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。