10月の月替わりの花のコースのタイトルは”石蕗の花”
あまり耳なれない名前だなと思っていたら、その花自体はなんだかその辺に咲いていそうな可愛らしい黄色いキク科の花でした。
昔から歌にもよく詠まれるようで、たくさんの歌があります。この季節を象徴する花なのですね。
その花言葉は「困難に傷つけられない」「謙譲」「愛よよみがえれ」
「困難に傷つけられない」・・・困難から守ってくれるの? いや、花言葉って、お守りのたぐいじゃないし。そういう心になれるってこと? ん?
花言葉を説明する言葉、というか、ロジックが急に曖昧になってしまい、言葉に表せなくて、改めて花言葉って何?と調べてみたら、
「その特質などによって象徴的な意味を持たせたもの」ですって
なるほど、象徴的な意味 ですね。
花を言葉に置き換えると、その花の姿にはどの言葉が一番しっくりハマるのかな、っていう感じで決めたのでしょうね。
でも、薔薇の花言葉の、『愛』とか、チューリップの『思いやり』などに比べて、石蕗の花の『困難に傷つけられない』って、またずいぶん的を絞ったものです。それに、まだ『困難に立ち向かう』とか『困難を乗り越える』とかの方がピンとくるけれど・・・花の姿を現すのにそんなにアグレッシブな精神性は多分にミスマッチか・・・一歩下がった感じ、どこか儚さが感じられる必要があるのかも。
実は花言葉もきちんとしたルールというか感性の上で決められているんだなぁと、今更ながら感じ入っております。
あと、否定形というのもめずらしいですよね。
まぁそれはそれとして、ピンポイントで焦点が絞られている分、そこには重みがありそうな気もします。石蕗の花には守護の力があるのかも(なんか神々しい話になってきました(笑)。
ということで、多いにその花言葉にあやかりたいと思います。
『困難に傷つけられない。』
クルティーヌが、そしてクルティーヌの側(物理的にも気持ち的にも)にいる全ての人々が困難に傷つけられることのありませんように、今月の花のコースの名にこの花を掲げます。
石蕗の花(ツワブキのはな)を道端で見かけたら、是非この花言葉を思い出してみて下さい。
魔を祓ってくれそうな高貴な花(可愛らしいから数段ランクアップしちゃいました。)ですし、神社などに咲いていそうですね。童心に帰って秋の神社を散策してみるのもいいかもしれません。きっと心身ともに穏やかになるのを感じられます。
今月は心に石蕗の花を一輪差して過ごします。(個人的に「謙譲」であることは常から心がけたいし、「愛よよみがえれ」にいたっては、セリバテール(意味を知りたい方はこちら。)の僕に必要な言葉であることは間違いない。)
では、今月の花のコースの紹介に参ります。どうぞごゆっくり御覧下さい。
石蕗の花
Menu Farfugium Japonicum
アミューズブーシュ
Amuse-Bouche
・岩中豚首肉のリエットを挟んだプティシュー
・カボチャのムースとナツメグのジュレ
・鮑の肝と白ワインのピュレとグリーンオリーブ
活け締め 秋鯖のタンバル その肝のリエット クルミの香り
Timbale de Maquereau
今、脂がのって美味しい秋鯖を軽〜くマリネして特製のペーストを挟み、タンバリン型に仕上げました。
クルミから搾り取ったクルミオイルの香りをアクセントにチョリソーや黒オリーブの旨味もこっそり隠しております。
活け締めだから美味しい秋鯖の肝。それをリエットにしてカナペに載せ、余すところ無く秋鯖をご堪能頂けるようにしました。
セップ茸の濃厚スープ
Soupe de Cèpe et poêlé
セップ茸の季節になりました。日本を代表する帝国ホテルのレストラン、レ・セゾンでも、全てのお皿に載っていると言っても過言でないくらいにふんだんに使われるフランスの秋の味覚。クルティーヌでも、待ってましたとメニューに登場です。やっぱり、僕はフリカッセ入りの、濃厚な香りが際立つ、でも軽やかなこのスープが一番だと思います。
ヴァントレーシュ(パンチェッタ)とパセリでフリカッセにした身厚のセップを浮かべて、オリーブオイルをひと垂らし。秋の香りを心ゆくまで召し上がれ。
根セロリのリゾット 舞茸のチュイルをちらして
Ris de veau poêlé au Risotte de Celeri rave.
秋と言えばリ・ド・ヴォーが食べたくなるのは僕だけでしょうか。何年前かの10月に、パリの三ツ星の『ブリストル』で食べたリ・ド・ヴォーのココット焼きが忘れられないからでしょうけれど、今回のリ・ド・ヴォーは、まさにその時の料理を自分なりに吸収し、形にしたもの。
リ・ド・ヴォーと言えば、バターやクリームを使った料理だったり、ソースがしっかりしていたりと、濃厚な味わいが多いですが、今回は、はしばみバターの香りを軸にして、酸味と香りで軽く召し上がれる料理に仕上げています。
リゾットは、根セロリの、あのいい香りと、鶏から取った出汁で仕上げています。
薫る舞茸の薄いチップスと共にボナペティ。
舌平目とオマール海老のパイ包み 平兵衛酢風味
Filet de sole Feuilleté a la HEBESU.
寒くなって来ました。そうなれば、やはりパイ包みですよね。
フランス料理の魚料理のパイ包みで個人的に5指に入る料理がこちらです。
これは、多くを語るより、ぜひ、食べて感じて下さい。
宮崎県の平兵衛じいさんが見つけたと言われるヘベスが旬を迎えましたので、レモンではなく、ヘベスの酸味で全体をまとめあげています。
ブリュゴー家のシャラン鴨 オレンジとコリアンダーロティ
椎茸と冬瓜と銀杏のソースと鴨の脂でコンフィにした牛蒡
Canard Challandais roti a l’orange-coriandre.
世界で唯一ブリュゴー家にしか育てられない、一子相伝の伝統の方法から生み出されるシャラン鴨。比較的良くレストランのメニューで見かけるシャラン産鴨は、ブリュゴー家のシャラン鴨の人気に乗っかったようなもので、その質は全く別次元の代物です。
さて、そのシャラン鴨の胸肉を優しく焼き上げた後、皮目に栗の蜂蜜を塗って、コリアンダーシードとオレンジの皮をまぶし、上火でローストしてゆきます。 コリアンダーシード(種)の独特な香りは、オレンジの香りと相乗して、オレンジとキャラメルの香りのソースによく合います。椎茸、銀杏、ウドをソースに絡ませて、秋の味覚とともにお召し上がり下さい。
キウイのソルベとクコの実
Sorbet Kiwi.
実はキウイの旬はこの季節。甘みと酸味がしっかりしたおいしいキウイを使ってソルベにしました。
クコのみの独特な甘みと香りがエキゾチックにキウイを美味しくしてくれます。
柿のミルフィーユ
Mille-feuille de KAKI.
柿。フランスでも[KAKI] というこのフルーツは、デセールに使われることがとても少ないフルーツです。
今月はどうしても秋のデザートとして柿を使いたくて、ミルフィーユになりました。
薔薇の香りを移したアールグレイをアイスクリームにして添えています。
シンプルですが、好相性なものばかり。じんわり美味しさに浸れるデセール。
フランス産パムプリー(AOC)無塩バターと、そのバターのために作った自家製パン
Pain et Beurre de Pamplie.
小さな3種のフランス菓子
Mignardise.
食後のひととき
エスプレッソ、コーヒー 又は 「マカイバリ」:ダージリン、アッサム
Café ou Thé.
Bienvenue ! Je vous souhaite un moment de Bonheur avec Restaurant La Maison Courtine.
皆様のご来店をお待ちしております。
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